【レビュー】1年1ヶ月ほとんど売上げトップ10に入っている、プロ野球プライドを分析してみた。






















日本野球機構(NPB)承認の、
12球団・500名以上の実名プロ野球選手が登場するプロ野球カードゲーム

コロプラ
Android, ios app
両PF合わせて300万ダウンロード
両PF:2012年4月









このゲームを取り上げた理由は、単純に売上が上がっているから。
図はiphone版日本の売上げランキングですが、リリースされて1年間ほとんどトップ10に入っています。これだけユーザーに支持されているゲーム。分析するしかないでしょう。作ってるのも最近評判のコロプラですしね。

全体的にかなり優秀なアプリ。
プロ野球で実名というIPにより集客が見込める。
そしてIPでなくても売れたと思える出来である。

具体的には
バッティングで、クリックゲー特有のつまらなさを回避。
試合は自動だが、スキル発動や点数の入るタイミングで選手が出てくるなど見ていて面白い。
またバッティングと同様に交渉権を得られるので相互の関わりができている。
ペナントレースは、待ちゲーだが、バッティングで調子を上げると勝ちやすく、連携がとれている。
いつでも見れるダグアウトは、コストの概念があり強いカードだけでOKではなく、ポジションがかぶればトレードで活かせる。
UIも非常に見やすい。
総合的に非常に優秀なアプリで、売り上げランキングでずっと上位に位置していることが理解できた。


プロ野球というIP









ソシャゲ業界にIPものはたくさん存在します。
その多くはアニメ・漫画とスポーツに分けられるでしょう。
NRIさんによると、マニア市場は

マニア消費者層はインターネット利用率と情報発信能力が高く社会的影響力が強いことや、関連する分野をまたがり集団を形成していることも明らかになりました。この層は、「独自の価値観に基づいて、金銭および時間を優先的に配分する消費行動」、「自己流の解釈に基づく世界観の再構築と二次的創作活動」、を繰り返しながら、理想像を追求しています。つまり、マニア消費者層は、購買意欲が高いだけでなく、コミュニティー形成の核、次世代技術の革新の場、新商品の実験対象としての価値も高く、近未来の商材を見極める意味で産業的視点からの期待される役割が大きい母集団であると言えます。NRIでは今後も、車、AV機器、旅行などの分野にも対象を広げたマニア消費者層の行動実態の調査分析を進め、そのビジネス的価値を示唆していきます。

だそうです。笑

ソシャゲとの親和性があるが、アニメ・マンガ層というのは相互にまたがっていて
アニメ・マンガ関連のIPがたくさん出てきているので、そろそろIPの魅力だけでは売れない。
規模的にも


大体2500億円。100万人~300万なのです。
スポーツは?特に野球は?こちらもコンサルの資料から


まずファン数が多い上位5チームの情報ですが、巨人だけで800万人いるわけです。
全体では3000万人。
確かにソシャゲとの親和性はアニメ・マンガより高くはないです。
ただし、市場が巨大かつ今までと異なっているので、少しの人にでもコンテンツが刺されば十分です。
ソシャゲ業界も成長期から成熟期に入ってきて、
スポーツ層も取り込めるくらいの認知度、規模、エンタメ性が出てきたのです。






















更にOBまで出現。長島茂雄までいるらしい。
こうなると更に狙える市場は大きくなって、スポーツ×10~40代男性まで狙えるだろう。
これまでソシャゲはもっともARPPUが高い2,30代男性をターゲットにすることが多かったので、
少しでも今までと異なる市場を取れれば、IPの収集欲を満たすだけで、かなりの売上になるだろう。
でも他のソシャゲ野球ゲームもあるわけで、じゃこのゲームの面白さを以下で説明したいと思う。

バッティング
















ゲーム性のあるクリックゲー

技術による揺れもあり。
ホームラン打てば10%ずつ進むが、
失敗しても8%と下手な人でも、ストレスなく進む絶妙な設定。

10コンボでボーナスに入り1球だけの豪速球勝負が出来る。
豪速球勝負に勝てばルーレットでアイテムゲット。
10コンボがなかなか難しい。からやる気が出る。クリックゲーのつまらなさを回避してる。

私個人だと、
6コンボ→8コンボ→4コンボ→10コンボ!!!
やった!!みたいな感じ。下手なのかな笑






















ペナントレースの調子パラメータがあり異なる行動との絡みもあり。
ペナントレースが時間ゲームなので、戻ってくる動機になる。
他にもお金UPの時間を作ったり、無料ガチャも1日3回にわかれてたりと
こまめにプレイさせたくなる仕掛け。

スタミナ消費がかなり早く、
一回遊ぶ時間が他のソシャゲより短い。たぶん起動してから遊び終えるまで2分くらい。
ちょうど1回10コンボにチャレンジ出来るくらい。
時間は短いが、プレイ回数を多くしようとする姿勢が伺える。

ペナントレース





















ペナントレースとは待ちゲームで、1日15ペナント試合が行われている。
上の図のように次の試合までの時間が表示されていているので、
バッティングの動線になっている。
上に書いたようにバッティングをすることで調子が上がってペナントレースに有利に働く。
ちなみにもちろん自分のカードではないが、ペナントで優秀な成績を獲得すると
カードにフラッグがついてドヤすることが出来る。

試合











自動で、自ら操作することは出来ない。しかし、面白い。

理由は、試合で注目する点、興奮する点が非常に分かりやすいから。
得点が入る時に上の画像のように画面が切り替わる。
この画面になると、得点が入る可能性がある。
点数が入った時も3-5とか簡単な数字なので興奮しやすい。

よくあるバトルゲームだと、
モンスターAがモンスターBに538のダメージ

モンスターBがモンスターAに439のダメージ

モンスターAのスキル発動
モンスターAがモンスターBに2349のダメージ

モンスターBがモンスターAに389のダメージ


モンスターBのスキル発動
モンスターAがモンスターBに8のダメージ

モンスターBがモンスターAに4235のダメージ

モンスターBの勝利

極端に書いたけど、興奮ポイントがわからないのです。


また選手個人に愛着が湧く。

はじめに相手のスタメンが見えてカードのレア度がわかる。
プレイヤーの説明が出た後に、得点が入る。

試合後には相手オーダーを見ることが出来る。
試合に負けた後は、相手のオーダーを見て
レアカードが欲しくなる。課金動線がうまい。

もちろん面倒な人は、
高速試合を見ることが出来る。

ダグアウト













いつでも見れるダグアウトも死角なし。
強化もこのページからで、UI良い。

UIの話をすると当ゲームはTOP画面がない。
パズドラもない。テンプルランもない。
私もそれが良いと思う。
TOP画面はお知らせを表示するだけで、
メインのコードは固定ボタンからの方が、分かりやすい。

ダグアウトの話に戻る。
自動振り分けは初心者にグッド。
迷うことなく自分のデッキを楽しめる。

コストの概念でバッティングに誘導するのも上手で、
選手の人数制限で合成など徐々にデッキについて理解していく流れも秀逸。
ソシャゲでよくあるコストの概念はあるがほとんど制約の意味をなしていないなんてことはなく、
強いカードがあるのにコストが足りず入れられないことが頻繁に起きる。
パズドラのボックス拡張と同じ効果です。

後からアビリティなど考える要素も出てきて、上級者にもグッド。
例えば2,3番目の先発はペナントで意味があるとか
中継ぎはランダムなので、ちゃんと両方強くしなければいけないとか
打順も実は隠れアビリティで足の速さが関係あるとか。

レベルデザイン
レベルデザインも非常に上手。

ライトユーザーのIPもので惹かれて来た人も、
バッティング(スタミナ切れるの早い)と、自動の試合で楽しめる。

ライトユーザーを、コストの問題で合成を促したり、
ペナントレースで勝つために、バッティングをこまめにさせたり、
無料ガチャでプレイヤをゲットさせたり、
そこまで複雑でないが、上手くプレイさせてる感覚をいだかせる。

ヘビーユーザーになると、ダグアウトの最適選手配置であるとか
トレード機能があるので、そこで上手く選手を獲得出来たり、
実名野球選手なので、単純な収集欲で課金する人もいるだろう。

複雑な要素があるが、初めはシンプルで、はじめはソーシャル性が
強くないので、新規ユーザーも定着しやすい。



はじめの内ソーシャル要素が少ないのは良いことだと感じる。
それにより今でも新規ユーザーを伸ばしている。
ソーシャル性と新規ユーザー獲得は、しばしばトレードオフになりやすい。

もちろんソーシャル要素は用意されていて、
トレードと対戦。

またソーシャル強化のためリーグというチーム制も最近追加された模様。

このリーグ制を上手くワークさせることで
神アプリになると思う。

AKIRAより